港南台内科クリニック

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低血糖

掲載日2016-06-20

 『低血糖には注意しましょう』『低血糖にならないように、薬を飲んでいる方は注意しましょう』とよく先生から外来の時に言われると思いますが実際、低血糖とはどういうもので、どういう状態なのでしょうか?

一言でいうと

 『低血糖とは、血液中のブドウ糖が減りすぎた状態です』。 脳にとって、唯一の栄養源であるブドウ糖が減りすぎると、その程度に応じて様々な症状が出ます。また普通は糖尿病の薬を飲んでいる方で起きることがほとんどです。

 逆に言えば、糖尿病の薬を内服していない方は、起きることはあまりありません。(ただ糖尿病もなく、糖尿病の内服薬も飲んでないのに低血糖を引き起こす反応性低血糖と呼ばれる一群の方やインスリノーマの方もいます)

低血糖症状「は・ひ・ふ・へ・ほ」

「は」→ はらが減り
「ひ」→ ひや汗
「ふ」→ ふるえは低血糖
「へ」→ へんにドキドキ
「ほ」→ ほうちは昏睡

どんなときに起こりやすいのか

  1. 食事時間がいつもより遅い/食事の量が予定量より少ない(不規則な食事) ⇒昼食前や、夕食前に起きることが多いです。
  2. 薬を飲み間違え、いつもより飲みすぎた。インスリンの打ち間違え、過剰投与(薬の種類、用量、時間の誤り)
  3. 予定よりも激しい運動や長時間の運動をした (運動中や運動後、または時間をおいて運動した日の夜間や翌朝に起こりやすくなります)
  4. 飲酒(※アルコールを分解するためにはブドウ糖が使われるので血糖値を下げます。)糖尿病の中でもインスリ ン治療を行っている人、またインスリンを促す薬を服用している人は 特に注意が必要 自分の飲んでいる薬を確認してください
  5. 入浴時
  6. 病気や検査などによる食事量の減少や絶食などによくみられます。 また、使用している薬剤の特性やライフスタイルから低血糖の起こる可能性がある時間帯もある程度推測することができます。

内服時の注意

  1. 食前の低血糖に注意/SU薬、中間型インスリン製剤、持効型溶解インスリン製剤
  2. 食後の低血糖に注意/速効型インスリン分泌促進薬、速効型インスリン製剤、超速効型インスリン製剤
こちらの糖尿病の薬を参照 >>

低血糖でよく見られる症状

 ブドウ糖は、特に脳には必要不可欠のエネルギー源で、筋肉や内臓はブドウ糖以外のエネルギー源も使って働くことができますが、脳はブドウ糖しか使えません。そのために低血糖になってしまうと、脳が活動できなくなってしまいます。 それを防ぐために、低血糖は血中のブドウ糖が少なくなりすぎてしまい、エネルギーが不足している状態を、体に伝えるために出現する症状です。 怖いものではなく、すぐに糖分を補給すれば回復するので、あわてずに行動することが大切です。

 特に軽度のうちの対応がとても大切です。「低血糖になった!」と思ったら、我慢せずにすぐに対応し、「低血糖かな?」と思ったらすぐに確認してみることがとても重要です。

低血糖の症状には、個々人で特徴や傾向がみられます。

 ⇒低血糖を経験するうちに自分がどんなときになりやすく、どんな症状が起こるのかわかってくるようになります。ですので、そのパターンや症状を覚えておきましょう。そうすれば、早めの対応ができるようになります。

 例えば、夜間、3時~4時くらいに嫌な夢や気分が悪くなり起きることが度々起きる方がいます。それは実は低血糖の症状であったりすることが、インスリンの方では特にあります。その時は余裕があれば血糖を測定したり、もしくは医師に相談してみてください。

 低血糖の自覚が難しいときには、血糖自己測定を行って血糖値の状態を確認しましょう。血糖値が60mg/dL以下であれば低血糖ですが、自覚症状があって70mg/dL以下でも低血糖と考えて糖分(砂糖やブドウ糖、糖分を多く含んだジュースなど)を補給しておくとよいでしょう。

低血糖では、体が必要とする栄養素が足りなくなることで、次のような症状が現れます。

  1. あくびや不快感、考えがまとまらない、急激な空腹感
  2. だるい、眠気、目がちらつく、頭痛、無気力
  3. 発汗、手足のふるえ、体が熱く感じる、動悸、不安感、吐き気
    【自律神経症状】血糖値の下がりすぎで起きる自律神経の症状で、血糖値低下の警告を行っている状態。
  4. 集中力の低下、錯乱、脱力、眠気、めまい、疲労感、ろれつが回らない、ものが二重に見える
    【中枢神経症状】ブドウ糖の欠乏で脳細胞が正常に働かなくなりつつあることを示す状態。
  5. 【意識障害】自分でどこにいるかわからない状態。 この状態になると、自分の力では対処することができない。
  6. 【低血糖昏睡】車を運転中に昏睡を起こすと事故を起こしたり、歩いているときに昏睡を起こして思わぬけがをしてしまうこともあって危険。さらに最悪の場合はそのまま死亡することも。

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