掲載日: 2018-10-09
切手

「糖尿病」の名前の由来

 いまでは世界で12人に1人が糖尿病というなかで皆さん、糖尿病(diabetes)の意味や語源をご存知でしょうか?「糖尿病」の名前の由来は、血糖の測定ではなく、患者の様態からつけられたもので、西暦2世紀頃にさかのぼります。

 トルコの世界遺産でもあるカッパドキアの医師アレタイオスが“diabetes”と命名したことから始まると言われています。ちなみに糖尿病の最古の記録は、エジプトで発見されたパピルス、これはそれを図案化した切手です。

Diabetes mellitusの語源

 飲んだ水がどんどん尿となって出てくる患者が、絶え間なく水が流れるサイフォンと同じだということで、ギリシャ語で 「通り過ぎてしまう」 という意味の 「サイフォン」 という名称がつきました。

 これがラテン語の「ダイヤベテス(Diabetes)」となり蜂蜜のように甘いことを意味する言葉であるmellitusと一緒になって diabetes mellitus という言葉が誕生しました。

 Diabetes mellitusの語源は
Diabetes
dia→through,across
betes → pass,go,walk
mellitus → honney-sweeted
つまり
Diabetes → 「尿が常に出る」

 そしてその後は、魚などのたんぱく質や発酵食品、そして最後の糖質を摂るようにしましょう。よくよく考えるとコース料理、特に和食の場合、懐石料理などは特にこの順番ですよね。コース料理というのはある意味良くできているわけです。

 しかし、これだけだと尿崩症(にょうほうしょう)との区別がつきにくいので、Melllitus→「蜜のように甘い」という意味を追加して「蜜のように甘い尿が常に出る」という意味になることで糖尿病を表したわけです。

アレタイオス
アレタイオス

糖尿病の名前の由来

黄帝内経素問

 紀元前の中国では「黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)」、「金匱要略(きんきようりゃく)」に記載されている「消渇(しょうかつ)」が糖尿病を指します。

 日本では、10世紀から中国医書の翻訳でこの病気は知られており、そのころは中国と同じく「消渇」とよばれ、幕末~明治初期には、Diabetes Mellitusを「蜜尿病(みつにょうびょう)」又は、「甘血(かんけつ)、糖血病(とうけつびょう)、糖尿病、葡萄糖尿(ぶどうとうにょう)」と呼ばれるようになりました。

そして、1907年第4回日本内科学会講演会後に「糖尿病」に統一されたという経緯があります。

尿糖がでていると糖尿病なの?

  糖尿病という病名のため、尿に糖が出ることが糖尿病だと、みなさんよく勘違いされますが、これは正しくありません。糖尿病であっても、尿糖が出ない場合もあり 逆に尿糖が出ていても糖尿病でないこともあります。

 だからといって、尿糖を測る意味がないわけではありません。本当に健康に近い状態であれば食後といえども尿糖はでません。また、最近では糖尿病の薬でSGLT2阻害薬は薬の力で尿糖を増やし血糖値を下げようという薬もあります。

しょんべん小僧

港南台内科クリニック