掲載日: 2016-09-01
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ピロリ菌と除菌判定

 ヘリコバクターピロリ(H. pylori)は細菌の一種です。 これらの細菌はあなたの体に入り、あなたの消化管に住み込みます。 何年も経つと、胃の内壁や小腸の上部に潰瘍と呼ばれる痛みを引き起こす可能性があります。そのため、胃カメラ(上部消化管内視鏡)時にピロリ検査も同時にしましょう。内視鏡時にピロリ菌は見つかった際には、保険適用にて除菌治療ができます。

除菌治療

 除菌治療には1次除菌、2次除菌までは保険で承認されています。2016年4月現在 保険で承認されている1次除菌治療、初回の除菌治療では表は1~3の3剤を朝・昼食後に7日間経口投与します。現在はセットになっているものもあります。それは、ボノサップ400(下記写真)・800、ラベキュア400(下記写真)・800などです。

 1回目の除菌療法で除菌できなかった場合は、再び7日間かけて薬を飲んで、2回目の除菌療法を行います。2種類の「抗菌薬」のうち1つを初回とは別の薬に変えて(クラリスロマイシン→メトロニダゾール)、再び除菌を行います。2次除菌においては、メトロニダゾールの相互作用として、除菌療法中の飲酒は避けましょう。

 すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから、ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査を行います。この検査でピロリ菌が残っていなければ、除菌成功です。 1回目の除菌療法の成功率は75%、2回目の除菌療法までなら成功率は95%を超えます。

除菌薬
ボノサップ
ラベキュア

確実な除菌のために

 指示されたお薬は必ず服用することです。確実にピロリ菌を除菌するために、除菌療法を成功させるためのコツは、指示されたお薬は必ず服用することです。 自分の判断でお薬をのむのを中止したり、お薬をのみ忘れたりすると、除菌がうまくいかず、治療薬に耐性をもったピロリ菌があらわれて、薬が効かなくなることがあります。

除菌治療を行う場合で留意点として、7日間きちんと飲みきることが大切です!!途中で内服し忘れたり、中断すると除菌が不完全なままになりかえって抗生物質に対する耐性を持ってしまう恐れがあります。

副作用

下痢

 軟便や軽度の下痢の場合は、1回の除菌治療で確実にピロリ菌を除菌するために、継続して最後まで薬を服用することが望ましいです。(先生と相談しましょう)それでも下痢が悪化する場合は、内服を続けることで下痢があったするようであれば投与を中止して医師に相談してください

味覚異常

 異味感、苦味を含む味覚異常はいずれも軽度であることがほとんどです。服薬中止により症状は改善することがほとんどです。

アレルギー反応

 まれに薬による薬物過敏症がある場合があります。

除菌判定時の検査法について

尿素呼気試験法

 除菌判定時の検査法としては最も信頼性が高い尿素呼気試験を勧めます。尿素呼気試験法は感度・特異度に優れ、またサンプリングエラーの少ない検査法です。 更に確実性を上げるため、除菌後6週間以上あけてからの判定検査をお勧めします。

港南台内科クリニック