掲載日: 2021-04-30
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インスリン製剤

 大きく分けて基礎インスリン 速効・超速効インスリン 混合型の3つに分かれます。

 基礎インスリンとはゆっくり半日~1日以上かけて効く注射です。トレシーバ、ランタスXR、ランタス、グラルギン、レベミルがこれに当たります。

 速効・超速効インスリンとは普段は食事前、もしくは食後に打つ注射です。ルムジェブ、フフィアスプ、ノボラピッド、ヒューマログ、リスプロ、アピドラ、ノボリンR、ヒューマリンRがこれに当たります。

混合製剤について

 最近まではMIX製剤と言えばN製剤と速効か超速効型インスリンの配合でした。例えばノボラピッド30ミックスならN製剤30%と超速効型70%、ヒューマログミックス50ならN製剤50%と超速効型50%となります。

 最近は、より扱いやすい他の製剤が出てきたため、私個人はライゾデク以外、新規ではほとんど使用しておりません。ライゾデクについては、混合製剤の中でこの製剤だけは、非常に使いやすい(トレシーバ成分70%と超速効成分30%でインスリンを振って混和する必要がない)ので、患者さんよってはライゾデク配合注を使用して、インスリンの一日の回数を減らすこともしております。

 以下インスリン製剤の一覧です。インスリンの作用時間(効く時間により 超速効型 速攻型 持効型  写真はすべてプレフィルド/キット製剤(ペンごと使い捨て製剤)となります。 他、カートリッジ製剤(詰め替え製剤、こちらのほうがランニングコストは安くなります)もありますがそのまとめは他のページにてまとめております。

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新規の超速効型(食事開始時 食事開始後)

開始前0~2分前または開始後20分に投与
 作用発現時間は、フィアスプはノボラピッドより、ルムジェブはヒューマログよりさらに早くなっており、またインスリンの作用が切れるのが早くなっています。要するに従来の超速効型のノボラピッドとヒューマログに比べて効き目の立ち上がりが早くなり、また切れがよい薬になります。ただ皆が従来の超速効型ノボラピッド、ヒューマログに比べて合うかというと必ずしもそうでないことに注意が必要です。

フィアスプ注フレックスタッチ
ルムジェブ注ミリオペン
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超速効型(食直前)基本 食直前前投与

 作用発現時間は10〜20分、最大作用時間は30分〜1時間30分あるいは1〜3時間と政財によって若干の差があります。

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速効型(食事30分前)食前30分に投与

 作用発現時間は30分~1時間、最大作用時間は1~3時間、作用持続時間は5~8時間です。

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持効型 打つタイミングは様々

 作用発現時間は1~2時間、作用持続時間は約12~24時間、30時間~と様々です。最大作用時間に明らかなピークはありません。
イノレッットレベミルは中身はレベミルですがイノレットというデバイスが手の不自由な方でも、自己で注射できるというメリットがあります。

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中間型

 最近では持効型に移っており、あまり使用されなくなっております。作用発現時間は30分~3時間、最大作用時間は2~12時間、作用持続時間は18~24時間と製剤によって異なります。

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混合型(食直前)

 速攻型or超速効型+中間型or持効型をある割合で混合した製剤です。現在は、下のライゾデグ以外はあまり使用されなくなっています。この製剤のみ トレシーバの成分70%と超速効成分30%であり、また他の混合製剤と異なりインスリンを振って混和する必要がないので混合製剤の中では使いやすくなっています。

ライゾデグ配合注フレックスタッチ
ノボラピッド30
                        ミックス注フレックスペン
ヒューマログミックス25注ミリオペン
ヒューマログミックス50注ミリオペン

混合型(食事30分前)

ノボリン30Rフレックスペン
ヒューマリン3/7注ミリオペン
イノレット30R注
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配合薬(インスリンとGLP1受容体作動薬の配合薬)

 インスリン+GLP1製剤のミックス製剤も登場しております。現在利用できるのは2種類です。ゾルトファイ配合注フレックスタッチは、ビクトーザ(GLP1製剤)とトレシーバ(インスリン)との配合剤です。ソリクア配合注ソロスターは、リキスミア(GLP1製剤)とランタス(インスリン)との配合剤です。

 もともとGLP1製剤とインスリンを両方使用していた方にとっては注射を打つ回数を2回から1回にでき、また薬の値段も、GLP1製剤、インスリン製剤を別々に買うよりGLP1+インスリン製剤の合剤のほうが安くなるという利点があります。

ゾルトファイ配合注フレックスタッチ
ソリクア配合注ゾロスター
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港南台内科クリニック