掲載日: 2025-06-21

横浜内科学会 糖尿病研究会

 6月10日、「糖尿病治療における腎保護対策 〜GLP-1受容体作動薬の重要性〜」という演題で登壇させていただきました。

 本講演では、近年注目されているGLP-1受容体作動薬、特に**リベルサス(経口セマグルチド)とオゼンピック(皮下注セマグルチド)**について、腎機能保護に関する臨床試験データを中心に解説しました。

 FLOW試験やSUSTAIN試験をはじめとした大規模臨床研究の結果から、GLP-1受容体作動薬は血糖コントロールだけでなく、アルブミン尿の抑制やGFR低下の進行を遅らせる可能性が示されつつあります。糖尿病患者さんの多くが、慢性腎臓病(CKD)を合併しており、腎機能の悪化は将来的な透析導入のリスクや生活の質にも直結します。だからこそ、「血糖を下げる」以上の治療効果が期待できる薬剤選択が、今後ますます重要になると感じています。

 日々の診療のなかで、最新のエビデンスに基づいた治療をどう実践に落とし込んでいくか。患者さん一人ひとりの未来を守るために、科学的根拠に裏打ちされた選択肢を持つことの大切さを、あらためて実感する機会となりました。

 このような素晴らしい会でお話しする機会をいただき、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

横浜内科学会 糖尿病研究会

港南台内科クリニック